採用サイトを立ち上げる、その前に。

話題のオウンドメディアリクルーティングを中心に、自社の採用サイトを活用しようという動きが広がっています。少し前であれば1つのサイトを作るのに数十万円から数百万円かかるのが一般的でしたが、最近では弊社でもご案内しているジョブオプライトのように、無料で利用できる採用サイトも出てきており、採用サイト開設へのハードルは一気に下がりました。

でも、せっかくの採用サイト。ただ作るだけではなかなか成果に結びつきません。そこで、採用サイトを作るとき、どのように考えればよいのかをご紹介します。
また、これから採用サイトを作ろうという方の中には、無料と有料のどちらを選べばよいかに迷う方も多いのではないでしょうか。その点についても、採用サイトの考え方の延長で考察したいと思います。

1.採用サイトの使い方を考える

・誰に見てほしいのか

採用サイトは(求人広告でもいえることですが)、伝えたいことを伝える場ではありますが、伝えたいことを一方的に伝えても効果は期待できません。

サイトをお店に置き換えて考えてみます。
「これは最高だ」と思える商品をお店に並べても、それを求める人がいなければ決して売れません。
「これを買って欲しい」と思う商品を並べても、やはり求める人がいなければ売れ残るだけです。
採用サイトについても同じで、求職者の知りたいことを伝えないと効果は期待できません。もちろん募集する側にも採用者に求めることがあるので、それはしっかりと伝える必要があります。つまり、求職者が知りたいことで、かつ自分たちが伝えたいこと。これを見つけ出す必要があります。
だからこそ、誰に見て欲しいのかを考える必要があります。

求職者の知りたいことは1つとは限りませんし、その数と優先度の組み合わせは求職者の数だけあると言えます。ただ、誰もが欲しいものが考えにくいように、誰もがしたい仕事、誰もが入りたい会社や職場もまた現実的には考えにくいもの。万人に伝わる必要はありません。ただ、伝えたい人には伝える必要があります。自社で活躍してほしいのはどんな人なのか。その人の求めるどんなことに応えられるのか。まずはそこを整理し、伝えたい相手を決めましょう。

・どうやって見てもらうのか

採用を含めた全てのwebサイトに言えることですが、サイトの開設はゴールではなくスタートです。そしてサイトは見てもらわないことには何も起きないし、何も生まれません。そこで重要なのが、どうやって見てもらうのか。

再びお店に置き換えて考えてみます。
新たにオープンしたお店。ただ、誰も知らない。通りがかりの人がふらりと立ち寄る場所でもない。この状況でお客さんを呼び込むにはどうすればよいか。通りでチラシを配る、ノボリや看板を立てる、折り込みチラシを入れる、SNSで発信する…様々な方法がありますが、いずれにしろ、まずは告知するのではないでしょうか。
採用サイトも、基本的には同じことです。よほど定期的にチェックするユーザーがついていない限り、サイトが開設したことも、サイト内で募集が始まったことも、求職者は知る術がありません。SEO強化で検索エンジンに上位表示を…と思っても、それはスグに成果が出るものではないので、とにかく時間とコストがかかってしまいます。

では、どうするか。
告知の手法はいくつか挙げられますし、ターゲットによって最適な選択肢は変わりますが、採用においては大きく次の3つが主体となります。

・Indeed
・求人広告(求人メディア)
・web広告

それぞれの内容、特徴についてはここでは割愛しますが、少なくともweb広告を利用するにはwebサイトが必要です。またIndeedや求人メディアを利用するにも、その成果を高めるには採用サイトはとても有効と言えます。
いずれにしろ、「採用サイトを作れば万事解決」とはいかないので、開設(ローンチ)した後、どうやって見てもらうかまで事前に考えておく必要があります。

・応募はどこからしてもらうのか

通常のwebサイトであれば、おそらくありえないこの設問ですが、採用サイトを現実的に考えると、必ずと言って良いほど直面する重要な要素です。通常、サイトを開設するのであれば、サイトで完結するのが鉄則です。もちろん採用においてもサイトの応募はサイトからというのが原則ですが、必ずしもベストな選択とは限りません。なぜなら、求人メディアの存在が大きく影響するからです。
なぜ求人メディアが採用サイトの応募方法に影響するのか。募集側・求職者側それぞれの視点で考えると、その理由が見えてきます。

<募集側の事情>
・これまで求人サイトの応募管理機能を使ってきたので、手間が増えるのは避けたい
・求人メディアにも掲載しているので、応募者管理は一括で行いたい
・既に複数メディアの応募情報を一元管理できるATSを導入しているので、サイトからの応募も一緒に扱いたい

求人メディアは応募を集めるだけでなく採用活動全般をサポートしているため、応募者管理についても専用のツールが準備されています。複数メディアを利用している場合には、異なる応募者管理ツールを集約するサービス(ATS)を利用しているケースも多いのが現状です。そこにサイトからの応募だけ別の管理となると、手間に感じてしまいます。実際にはサイトの募集も管理ツールに取り込んでしまうなど対応策はありますが、できれば後工程は今までと全く同じにしたいとなると、応募は既存のルートから受け付けるという選択の優先度が高くなります。

<求職者側の事情>
・求人メディアに登録してある情報を引用したい
・メール対応に慣れていないから不安

求人メディアを利用している求職者の中には、応募のたびに自分の情報を入力しなくても済むよう事前に登録してある方も多いため、再度の入力を手間に感じる場合があります。もちろん、人によっては何のハードルでもないこともありますし、募集側が応募者の熱量を測る意味であえて入力してもらう仕様にすることもあります。ただ、例えば応募数の最大化を目標に置く場合には、丁寧に応募へのハードルを取り除くことが欠かせないため、応募方法は求職者側の視点でも考えておく必要があります。

このように考えた結果、サイトからの応募受付もあれば、求人メディアからの応募へ誘導するケースもあるなど、最適な応募受付のカタチを選択するのが採用サイトの応募受付なので、良くも悪くも、コレという正解はありません。

・採用サイト、どう使う

そして最も重要なのが、「採用サイトをどう使うのか」という点です。

「採用サイトをどう使うのか」とは、言い換えれば「採用サイトで何をしたいのか」と言えます。「そりゃ採用でしょ」というごもっともな声が聞こえてきそうですが、ここまでの「誰に、どうやって見てもらうのか」という話を裏返したとき浮かび上がるのが、ここで言う「採用サイトでしたいこと」です。
つまり、サイトで何を伝えるかは、告知から応募受付までをトータルで考えないとなかなか決めることはできません。

例えば求人メディアで告知し、もう少し詳しい情報を採用サイトで提供するとします。当然、求職者との最初の接点は求人メディアとなるので、ここで求職者に興味を持ってもらわなければ始まりません。そのため、いわゆる広告的な考え方で採用ターゲットに対してメッセージを組み立てます。それで応募まで至れば良いのですが、求人メディアはスペースが限られているため、まだ情報が足りずに応募前の不安が払しょくできないケースも多々あります。この場合、その足りない情報を採用サイトで補うことになります。

もう少し具体的に考えてみます。
仮に、安定した会社で働きたいと考えている人に対し、求人メディアで会社の安定感を伝えたとします。その求職者は安定感がありそうだからという理由で即応募するでしょうか。もちろん、そんなケースもありえると思います。ただ、一般的に考えた場合、仕事内容は?キャリアアップは?どんな人がいる?どんな社風?待遇は?などなど、気になること、知りたいことはたくさんあります。もちろんこれらを求人メディア内で伝えることもサイズによっては可能ですが、大抵は掲載料も比例して増える上、充分に、丁寧に伝えるという点では、それでも自社サイトに利があるのは明らかです。この場合、多くの人に短時間で告知できるという求人メディアの強い部分と丁寧に伝えられるという自社採用サイトの強い部分を掛け合わせることで、効果的な採用活動が可能となります。

この話を受け、「最初から採用サイトにあらゆる要素の充分な情報を網羅しておけば良いのでは」と思われたかもしれません。確かにそう思えますが、その場合、ハードルが2つ想定されます。
1つは、「サイト自体の導線をどうするのか」という点。
もう1つは「それだけのコンテンツを一気に用意するコスト」です。

まず1つ目について。サイトのトップページ、もっと言えば最初に表示される画面(ファーストビュー)に何を載せ、各コンテンツの強弱をどのように付け、どんな順で見てもらえるよう設計するかが極めて難しくなります。誰もが根掘り葉掘り知ろうとする対象であれば、それでも求職者は見てくれると思いますが、一般的には考えにくいというのが正直なところです。

2つ目については、そのまま制作料金と制作期間の話です。コンテンツ量が増えれば、それだけ制作料金も制作時間も必要になります。最初からそこまで大掛かりにしなければいけない理由があれば別ですが、先にお伝えしたように、webサイトの開設はゴールではなくスタート。まずはしっかりと設計した内容で開設し、そこから必要に応じて追加や改修を行って完成度を高めていく方が現実的だと思います。

2.無料と有料、どちらが良いの?

それぞれ全く異なるものなので、どちらが良い・悪いというものではありません。
ここまでお伝えしたように、採用サイトで何をどこまでしたいかによって、適した選択肢は異なります。一旦、採用サイトを開いてみて、どんな使い方ができるのか検証してみたいということなら、無料のスタートでもできることはあります。弊社でご案内しているジョブオプライトも、使い方次第で様々なことが行えます。一方、採用について解決したい課題が明確になっていて、その課題がwebサイトで解決できるのであれば、有料でしっかり作るのが適していると言えます。

繰り返しになりますが、採用活動において採用サイトで何をしたいのか。それができるのはどちらなのかという順に考えることで、どちらを選択すればよいかが見えてきます。


いかがでしょうか。コレ1つで大丈夫と言える選択肢がないのが昨今の採用。採用サイトも同様で、強力な武器になるかどうかは使い方次第。サイトさえあれば大丈夫と言えるものではありません。ここでご紹介した内容だけでは、まだまだ分からない点も多いかと思います。課題の抽出がうまくいかない、考え方はわかったが具体的な進め方に困っている、無料と有料の選択を決めきれない…など、採用サイトを使った募集をお考えであれば、何でもお気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

広部貴司

リクルート発行の求人広告制作を経て、2014年上級ウェブ解析士を取得。以降、特定の商品に限ることなく、リアルもウェブもペイドメディアもオウンドメディアも含めてトータルで最適な採用手法の提案を心掛けています。