Indeedで自社原稿を作ってみた

Indeedで求人募集を行った際、クリック数は多いのに応募に結びついてない。応募はあるけど、求めている人材とイメージが合わない。そんなことはないでしょうか?プレビュー数は多いのに最終成果に結びついていない理由。それはもちろん、原稿の中身にあると思います。検索キーワード以外の何か、人の心を動かす何かが足りない、ということです。その“何か”について、自社原稿制作を例に考えていきたいと思います。

求職者の気持ちをまず考える

Indeedや広告に限らずNetの世界で、たくさんの人に見てもらうことを考えると、やはり大切なのは”検索キーワード”です。SNSならハッシュタグをどう選ぶか。Net運用やマーケティングに携わる方はどんなキーワードを使えば効果的か、常に思いを巡らしているかと思います。ですが次の段階、アクションを起こしてもらうにはどうしたらよいか?となると、単純にキーワードの話だけでは終わりません。大抵の場合、広告を出すなら目的が存在するはず。何かに入会してもらったり、商品を買ってもらったり…。Indeedならもちろん、求人に応募してもらうことが目的ですよね。そしてその後、採用して働いてもらうこと定着して長く活躍してもらうことができてやっと、本来の目的を達成できたといえます。

しかし、広告を作って試行錯誤しているうちに本分を忘れて、ただ表示回数だけを追い求めてしまう結果に陥っていることが、少なくないように感じます。関係の薄いキーワードでもたくさん入れれば、表示回数は多くなるかもしれません。でも、それが限界。ユーザーは自分が求めていたコンテンツではないとわかれば、たちまち見るのをやめてしまいます。ましてや「釣り」とか「詐欺」広告だと思われたら、悪い印象だけが残りますよね。若者を中心にタイムパフォーマンスが重視されるこの時代。自分が求める情報に、効率良くたどり着くことを誰もが望み、逆に求めていない情報を押し付けられることは、大きなストレスとなります。ただ表示回数を上げることに躍起になるのは、言い換えれば「誰かに無駄な時間を使わせる」迷惑な行動かもしれません。

今一度「誰に何を伝えるか」を考える

ではどうするか。正々堂々、精度の高い情報を、求める人に向けて発信することです。

広告の基本に立ち戻り「誰に何を伝えるか」を考えましょう。とはいえ、この「誰に(ターゲット)」というのは案外難しいもの。求人広告でいうと「若ければ未経験でもいい」「やる気あれば経験は問わない」ということをよく耳にします。一見ターゲットと思えなくもないですが、「若くて未経験」「やる気のある人」なんて無数にいて、狙うというレベルに至りません。的を大きくすればするほど、母数だけが増えてマッチングする確率が下がるだけ。ですから、たくさんの人に見られることより、必要としている人に効率よく見せることを考えましょう。

ポイントとなるのは「どんな人が欲しいか」より「どんな人ならマッチするか」。
もちろん、求める基本スペックや迎える待遇条件が前提としてあり、採用難度はそこで決まります。でも、最終的には働いて馴染んでもらうこと、職場の人たちに仲間として受け入れてもらえることが重要です。「能力は高いけどウチには合わない」。「仕事はできるほうではないけど、彼がいると雰囲気がいい」「給料は安いけど、この職場が好き」…。スペックはある程度、人となりや意欲でカバーできるし、待遇条件は厳しくても、温かい仲間となら一緒に頑張れる。そういうものです。特徴がないのに、とにかく定着率が良い職場がありますが、大抵の場合、仕事と人間関係がピッタリマッチしている職場なのです。

求職者はどのように求人広告を見る?

今回、自社の自分がいる部署の求人広告を作る際に考えたのは、職場の雰囲気に合う人を迎えたいということでした。

20代~50代までまんべんなく、8人の仲間がいる職場。男女比は3:5。ガツガツしてない人たち。この内容を原稿にもきっちり表記します。一緒に働く人たちのイメージをしやすくするためです。部署の特徴を表わす言葉として選んだのは「いい意味でみんなマイペース」。干渉しすぎず強要もしないけど、信頼して個性を尊重し合う、快適だと感じられる職場です。その風土に馴染めそうな層を狙います。

スペックは、ある程度落ち着いている30代既婚の経験者。子育てがひと段落して、社会復帰したい主婦さんのイメージです。同じ属性の人を呼びやすいよう、スタッフの半数がパパさん、ママさんであることも表記しました。詳細は実際の原稿をご覧ください。

今回のまとめ

今回の作成ポイントは、自社の雰囲気に合わせ、そこで働く人をイメージさせる(できる)原稿づくりです。

先述した通り検索キーワードは重要ですが、そこで働きたいと考えるのも、採用するのも最終的には人です。人の心を動かすには、何かしら感情に訴える情報が不可欠ではないでしょうか?逆に言えば、条件が厳しくても、他の部分で魅力を感じてもらえれば、応募は見込めると思います。人気キーワードとして目立つことはありませんが、職場の空気や働く人のことをちゃんと書くことは大切。ただし、語り手が自画自賛を並びたてるのは、恥ずかしいので注意しましょう。

仕事探しとマッチングの精度が上がり、良い評判が広がれば、ますますIndeedを利用する求職者も増えて、応募効果も得やすくなる、という好循環が生まれます。今一度、伝えたい情報を「求めている人に届ける」ことを意識してみては、いかがでしょうか。

この記事を書いた人

村上淳二

1999年5月リクルーティング・デザイン入社。
以来、紙メディア・Webなど様々な求人広告を制作している。
現在はIndeed直接投稿の原稿を担当中。
2016年7月:上級ウェブ解析士取得。