今更聞けない!? Indeed指標解説(前編)

Indeed広告運用の効果測定をする時、各指標の数値のチェックは欠かせません。しかし指標の数値だけを見て良し悪しを判断していると課題を見落としてしまうことがあります。今回は効果測定でよく見る7つの指標がそれぞれ何を指しているのか、各指標と数値から読み取れる求職者の心理や求人の状態を改めて解説します。

表示回数

Indeedによると表示回数は「検索結果ページにロードされ、かつ実際に”Viewed(見た)”された時」にカウントすると言われています。簡単に言うと検索結果ページに表示され、かつ、求職者の画面上にしっかりと現れた回数が表示回数です。例えば以下の画像赤枠のように、検索結果ページに出てきた上で一覧情報がしっかりと画面上で全て見えている求人は表示回数としてカウントされます。

一方で画像青枠のように検索結果ページの下位、もしくは2ページ目以降に出ている求人は検索結果として出ているものの、画面上で一覧情報が見えていないため、表示回数にはカウントされません。
ただ検索結果に出るだけでなく、求職者の目に求人情報が入る状態となっていることがポイントです。

このことから表示回数が少ない場合、求人は以下のいずれかの状態であると考えられます。
・検索結果に表示されていない
・検索結果には出ているが、表示順が下位で求職者の画面で見えていない

よって表示回数を増やすためには「求人が検索結果で上位表示される状態」にする必要があります。
とはいえIndeedは独自のアルゴリズムにより、ユーザー(求職者)毎に異なる最適な検索結果画面を表示する仕組みになっていますので、同じ条件で検索しても求職者によって結果や表示順は様々です。そのため確実に上位に表示させる手段は現状ありません。ただし検索結果に大きく影響を及ぼす要素として次の4つが挙げられています。

(1)ユーザーの検索キーワード
(2)求人原稿のキーワード
(3)クリック単価
(4)ユーザーの行動履歴

これらのうち(1)~(3)に関しては見直し、改善することが可能です。
例えば、採用ターゲットが検索しそうなキーワードが原稿に入っているか?
逆に、採用ターゲットではない求職者の検索語句になるキーワードが原稿に入っていないか?
クリック単価は低過ぎず適切な金額になっているか?
表示回数が少ない場合は上記を中心に設定や原稿を確認してみましょう。

表示回数は数だけでなく質にも注意

とはいえ表示回数はただ単に数を増やせば良いというわけでもありません。採用ターゲットではない求職者ばかりに表示されていると無駄クリックが発生したり、有効ではない応募を多く獲得することで採用活動の効率を下げてしまう、機会損失してしまう可能性もあります。
そこで表示回数を確認する時には併せて「流入キーワード」もチェックするのがおススメです!

流入キーワードは有料運用アカウントを対象毎月1回求職者がどんなキーワードで検索してそのアカウントの求人に辿り着いたかを知るヒントとして、Indeedが最大10件のキーワード群を抽出してくれるデータです。

例えば「主婦パート」という語句がキーワード群に入っていた場合、「主婦パート」で検索してきた求職者の検索結果画面でよく表示されていたことが分かります。この時募集求人の採用ターゲットが主婦であればバッチリですが、もし採用ターゲットがシニア男性だった場合、求人の表示先がズレてしまっている可能性があります。

こういったことは数を確認するだけでは分からないため、表示回数をチェックする時にはぜひ流入キーワードも確認し、数と質の両方に問題がないかを見る癖をつけましょう。

クリック数

クリック数はその名称の通り、「求職者がその求人をクリックした回数」です。
求職者は検索結果画面に表示され気になった求人があればクリックして詳細を見に行きます。そのためクリック数が十分に獲得できていれば「検索結果でしっかりと見られており、そこで求職者の興味を引くことができている状態」と捉えられます。

もしクリック数が少ない場合は以下のいずれかであると考えられます。

(1)そもそも表示回数が少ない
(2)表示回数は十分に獲得しているが、クリック率が低い
(3)表示回数が少なく、クリック率も低い

クリック数を増やすためには(1)表示回数を増やす(2)クリック率を改善する(3)表示回数を増やしクリック率も改善する、とそれぞれ打ち手が異なります。いずれもクリック数に直接アプローチするのではなく別の指標から間接的にアプローチするため、クリック数が少ない場合はその数値だけに捉われず表示回数やクリック率といった別の角度から注目してみましょう。

クリック率

クリック率は「検索結果に表示された後、どれくらいクリックされたかの割合」です。
クリック数÷表示回数で求められ、平均値は5~7%になります。
ただしあくまで割合なので、クリック数に対して表示回数が多ければクリック率は下がりやすくなります。
職種やエリアによっても左右されるため、クリック率が低いからといって必ずしも改善が必要とは限らない点には注意が必要です。

一般的にクリック率が低い場合、「求人が検索結果一覧で求職者の興味を引けていない状態」と考えられます。言い換えると「他の求人との差別化ができていない状態」もしくは「一覧情報の何かが気になりクリックできない状態」です。

よってクリック率を高めるには「一覧情報の矛盾や疑問点をなくし、他の求人と差別化できている状態」にすることが必要です。

ここで一覧情報には何があるかを確認してみましょう。
Indeedの場合、検索結果一覧で表示される情報は以下の8つです。

①雇用形態
②職種名
③キャッチコピー
④企業名
⑤勤務地
⑥給与
⑦求人タグ
⑧画像

これらのうち特に改善の余地があるのが職種名求人キャッチコピーです。
例えば職種名が「営業」の場合、何を扱うのか、法人向けか個人向けか、どんな種類の営業か分かりません。これが「法人向け求人広告の新規開拓営業」だとどうでしょうか?より仕事内容がイメージしやすくなりますよね。Indeedの職種名は仕事内容に関係ない修飾語を付けられないというルールがあるため、その範囲内で誰が見ても仕事内容をイメージしやすいシンプルなものにしておくことが大切です。

求人キャッチコピーには職種名で書けなかったメリットなどを自由に書くことができます。これは直接投稿限定の機能となり、他社求人との差別化に活用しやすいスペースです。
例えばアルバイト募集の求人なら「週1日、1日4時間~OK」といった勤務条件を明記し、一覧表示の段階で条件が一致する人にのみクリックを促すことに活用できます。
求人キャッチコピーは最大255字まで入力できますが、検索結果一覧で表示されるのは先頭の50字程度になるため、ここで伝えたいことが多い場合は書く順番にも気をつけましょう。

おわりに

指標の数値だけを見るのではなく、そこから求職者の心理や求人の状態が読み取れるようになると、より具体的で効果アップに繋がる改善策を提案できるようになります。今や当たり前となっているIndeed広告運用。常に競合他社が増加する環境の中、画一的な改善策を提案・実行していては採用成功には繋がりません。

残りの指標は後編にて解説します。

この記事を書いた人

西脇綾子

2019年4月新卒入社。
半年間の営業経験を経てWR部に異動、以降はマーケットリサーチャーとしてindeed運用管理・振り返り・改善提案を主業務として行っている。
2020年11月上級ウェブ解析士資格取得。