採用効果改善ポイント ~見た目の確認~

Googleアナリティクスを使って採用解析と聞くと、データを取得して分析して解析して…と何だかむずかしそうですが、求職者目線に立てば、難しく考えなくてもわかりやすいポイントはいくつかあります。その代表格とも言えるのが見た目。「見た目って、解析関係なくないか…」と思われるかもしれませんが、見た目の検証にもデータが役立つ部分はあります。また、解析も採用効果改善のための手段にすぎないので、データを分析する、解析するという姿勢を一旦横に置くことで、採用におけるデータの活用ポイントや考え方も見えやすくなると思います。

1.すぐ応募できますか

予算をかけて作りこんだ動画、考え抜いたメッセージ、充分に語りつくしたコンテンツ…、力を入れて考えた採用サイトであるほど、求職者に見てもらいたい気持ちは大きくなります。
それはそれで全く間違っていませんが、採用サイトの成果を考えるとき、誰もがまず着目するのは応募数ではないでしょうか。通常、コンバージョンポイントとして設定されているので、自社でデータを見ている場合も、社外に委託している場合も、必ずと言ってよいほどチェック項目に入っていると思います。求職者も応募を考えて仕事を探しているので、当然ながら採用サイトを訪れる最終的な目的は応募と言えます。
その応募フォームがいつでもどこでも目に留まる場所にあるか、ないか。これは応募数に大きな影響を与えます。
ましてそれが最初のサイト訪問ではなくいくつか見比べての訪問だった場合、応募フォームがすぐに見つからないことを手間に感じて他社に流れてしまうことも考えられます。何かの予約や購入などの際、同じように感じたことがある方もいるのではないでしょうか。採用も同じことで、パッと見た時にどこから応募すればよいかをわかりやすく示しておく必要があります。

2.見え方を確認

・PCか、スマホか

これは必ずとは言えませんが、傾向としてアルバイト募集・パート募集のサイトはスマホからの閲覧が圧倒的ですが、社員募集のサイトに関してはPCからの閲覧も少なくありません。スマホでのインターネット利用が一般化し、サイトへの流入はスマホが主流だと言われる中、意外かもしれませんが、この社員募集サイトの傾向は中途・新卒問わず共通の傾向と言えます。
一方でサイトを制作する際、社内で制作するにしても外注するにしても、内容確認に関してはPCで行うケースが大半だと思います。そのため、PCではキレイに作られているサイトがスマホで見てみるとそうではないケースも見受けられます。以前は同じサイトでもPC用・スマホ用で別々に作られていましたが、最近はレスポンシブデザインが中心。PC用に作ったページがスマホで閲覧すると自動的にスマホ版に変形するため、別々に確認することもなく、かつ確認もPCで行うためスマホで見た際の確認が漏れていることが要因と考えられます。
まずは、この点を確認し、明らかに体裁がおかしければ修正します。また、実際にあったこととして、コーポレートサイトと採用サイトが別のドメインで作成されている場合、時にはコーポレートサイトからのリンクがPCにはあるけれどスマホで見るとなくなっているため、そもそも見たくても見れないケースもありました。採用サイトへの流入がコーポレートサイトからというケースは多いので、別々のドメインを使用している場合は相互のリンクに関しても確認が必要です。

・スマホでのチェックポイント

スマホでの体裁が整っているなら、今度は中のコンテンツを見に行きます。

・記事に差し込んだ写真がスマホだと妙な場所に表示されていないか
→意図した場所に写真がないことで、写真の意味が分からなくなっていませんか。

・複数枚並べた写真が縦並びになることで間延びしてしまい、テキストが読みにくくなっていないか
→PCで横並びになった状態とスマホで縦並びになった状態では、印象は大きく変わります。枚数が増えれば尚更のこと。じっくり読んでいても、ざっと流し読みしていても、写真が見たくてページを訪れているのではない限り、写真が連続している区間は煩わしく感じられるケースが多いです。

・PCで読みやすく改行した文面が、スマホだと画面の横幅が違うため、妙な改行になっていないか
→これは最も多い修正点です。PCの場合だと横幅が広いため、あえて一文ずつ改行して区切ることで見やすくなるケースはよくあります。ただこれがそのままスマホになると、全体が切れぎれの印象になってしまい、とても読みにくく感じてしまいます。例えばニュースサイトなどは、この点を考慮して、内容のまとまりごとに改行なしで書いているケースが大半です。作っているときは改行がないと読みにくいと思いがちですが、実は読む側の立場に立てば、スマホの画面上では改行の少ない文章を読み慣れていると言えます。

この3点を見直してPC・スマホどちらからも見やすい画面を作るのが理想ですが、どうしてもうまくいかないケースもあります。その時は、じっくり読み込むタイプならPC、条件マッチングの場合にはスマホなど、どちらから閲覧する求職者を優先するのか決めて対応します。

3.データを使うと見られ方がわかる

・何を使って見ているか

自社の採用サイトがスマホ・PCからそれぞれどれくらいの割合で見られているのか知りたい場合には、Googleアナリティクスを使用します。
Googleアナリティクスの大項目「ユーザー」を開くと中項目「モバイル」という項目が表れます。そのモバイルの中に小項目「概要」があります。ここをクリックすると、表が出てきて「desktop」「mobile」「tablet」のそれぞれのカテゴリからの閲覧状況が表示されます。もっと詳しく知りたい場合には、先ほどと同じ手順で進み、小項目「概要」ではなく「デバイス」を選択すると、使っている機種が表示されます。ここまでくると画面の大きさに合わせて調整したくなりますが、全ての端末に合わせることは事実上不可能なので、ここに力を注ぐよりは他に注力することをおすすめします。

・データで探る「見られ方」

サイトやページの「見られ方」に軸を置いた場合、データでわかることは他にもあります。
これは他の記事でも触れていますが、ページのどの部分までを見られているのか。トップページの最上部はサイトの顔として特に力を入れますが、その最上部だけを見て帰る人が多ければ、そこに記載されている内容は残念ながら求職者の知りたいこととは違うと言えます。また、わかりにくいことを説明するためにしっかりスペースを取って丁寧に説明したページを用意したとして、このページは本当に見られているのでしょうか。そもそも求職者が最初に訪問しているページはどこで、そこからどんな順に遷移しているのでしょうか。
少々見た目の話からは脱線した部分もありますが、サイトは見てもらいたい人に見てほしい部分を見てもらえて、初めて課題解決に繋がります。採用サイトが機能しているかどうか気になるときは、データを覗いてみるといろいろなことがわかります。


いかがでしょうか。
弊社にはこのウェブ解析を専門に学んだ上級ウェブ解析士が多数在籍しています。今回は見られ方に関する基本的な考え方をご紹介しましたが、他にどんなデータをどのように読み解けば採用成果に繋がるのか知りたい、そもそもどんなデータが取得できるのか知りたい、自社のデータを解析してほしいなど、採用サイトデータに関するご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

広部貴司

リクルート発行の求人広告制作を経て、2014年上級ウェブ解析士を取得。以降、特定の商品に限ることなく、リアルもウェブもペイドメディアもオウンドメディアも含めてトータルで最適な採用手法の提案を心掛けています。