求人広告で大切なこと

Indeedに限らず、求人広告を出す際には「求める人物」に「何を伝えるか」を考えることが重要です。この2つが曖昧だったり、かみ合っていなかったりすると、受け取る側にも伝わりにくい広告となり、効果は期待できません。では、どうやって明確にしていくかを、考えていきましょう。

求人広告を作っていく過程で

求人でまず考えるのは「求める人物」像ですよね。
どの部署でどんな仕事をする方が必要なのか。そこから、何を伝えれば応募してもらえるのかを追求していきます。 Indeedならさらに、どんな「キーワード」を使って、広告を表示してもらうのかを考えるのも大切でしょう。
ですから「求める人物」のイメージはより具体的にすることが重要だと言われています。「誰に」がしっかり決まらないと、「何を」伝えるかも決めにくいですからね。採用したい人物像に求めるスキル、経験、性別や年齢層をイメージ。普段どんな生活をしていて、どんな行動をとり、どのような価値観で仕事を選ぶのか…。そしてどんなキーワードを使って仕事を検索するのかを想像します。

しかし明確にイメージするのは結構難しいものです。例えばスキルも経験も特に必要ではない場合。「誰でもいい」「●●ができれば、それでいい」からと、「未経験歓迎」とだけうたって、完了してしまう場合が多いかもしれません。でも実はこれ、失敗する確率が高いんです。その理由を含め、求める人物像(応募資格)と、何を伝えるか(キャッチコピー・アピールポイント)を細かく考えていきましょう。

「未経験歓迎」と「誰でもいい」は違う

一言に「未経験者」といっても、いろんな人物像が考えられます。
「スキルは要らないけど、こういうタイプのあなた」「こんな仕事に挑戦したいあなた」「こういう環境を求めるあなた」…メッセージを受け取る相手が「自分に向けて言っている」と思えるように、スペックやタイプを細かく書いていきましょう。その上で初めて「未経験歓迎」の意味がでてきます。「経験がない自分でも採用されるかも!」と確認ができて、自信をもって応募してもらうためです。

もし伝えたい相手をイメージしにくかったら、社内で活躍しているスタッフをモデルにするのも良いかもしれません。その方が何を最も重視しているのかを考え、会社がその部分にどのように寄与しているかを考えていきます。「会社が寄与できる(している)こと」から、アピールポイント(伝えたいメッセージ)を考えていくと、コンパクトにまとめやすいですよ。

メッセージはなるべく絞って、欲張りすぎない

例えば、家族思いのAさんの場合:「家族と楽しむレジャーが生きがい」→「この会社は土日祝休みで時間がたっぷり作れる」→「従業員はもちろん、その家族も大事にしている会社」とアピールポイントを具体化していくわけです。

魅力となる「何か」には、たくさんの種類がありますし、求めるものは人それぞれ。また、人によって基準にも違いがあります。例えば年間休日。115日なら、週休2日を実現し、お盆と正月に連休をつくることができるでしょう。しかしこの日数でも、多いと思うか少ないと思うかはその人次第です。

「他では絶対に体験できない仕事」「どこにも負けない収入」「残業一切なし・年間休日130日以上」…。絶対的な条件で勝負ができるなら良いですが、そうはいかないですよね。でも、先ほど触れたように、基準は人によって違いますから、満足していただける方を想定して狙えばいいんです。なるべく具体的な数字や実体験など踏まえてしっかり届けることができれば、有利に勝負を進められます。

また、内容を絞っていくのもポイントです。難しい専門知識や高い技術が必要なエキスパートの募集なのに、その部分には追及せず、環境や待遇押しで、プライベート重視の人向け…。みたいなものは要点がブレてるように感じられます。さらに欲張っていろいろ伝えようとすると、何を一番伝えたいのかわからなくなり、アピールの印象が薄まるかもしれません。

アピール内容から求める人物像をたどるのもOK

もちろん、アピールポイントからスタートして、届ける相手を考えていくのもありだと思います。
先ほど例にも出しましたが、年間休日が125日あれば、家族や子どもとの時間を増やしたいと思っている方を狙いやすいでしょう。残業も同じ。現在月40時間残業している方が、月10時間程度に減らせれば、自分の時間をぐっと増やせると期待するでしょう。逆に、残業が全くないから、残業が多い職場に転職して収入を増やしたい、と考える方もいます。

今出せる条件が有利に働くよう、現在どんな状況にある方を狙えばよいか、あてはまる人物像を固めていきます。そしてメッセージが応募動機につながるようアピールを強めます。仕事面なら「これをしてほしい」とストレートに訴えるのも一つの方法。「何をしてほしいのか」「この会社で何ができるのか」募集の意図をしっかり書くことで、必要としている人物にスピーディーにメッセージを届けることができます。

今回、伝えたかったポイント

どんな人に対しても合わせられる職場や仕事、待遇条件を考えにくいように、どんな環境、仕事、待遇であってもやりたい、という人物はきっといません。できるかどうか以前に、「向き・不向き」「したい・したくない」もあります。

だからこそ、メッセージは、伝える相手を選ばないといけないと私は考えます。少なくとも「向かない方」「したくないと思われる方」を仮に採用できたとしても、長く続かない可能性が高いです。
応募する側は、入社してみないとわからない「不安」を、できる限り払しょくしたいと考えているもの。不安を排除してあげて「うちに入社してくれれば、あなたの思いは叶いますよ」と伝える気持ちでアプローチすることが大切です。誰もが知る大手企業ではなくても、待遇が突出していなくても、きっとそれはできること。求める人物のイメージをしっかり持って、届くメッセージをきちんと組み立てましょう。
このブログで今一度、「求める人物」と「メッセージ」について、考えるきっかけを設けることができたとしたら、幸いです。

この記事を書いた人

村上淳二

1999年5月リクルーティング・デザイン入社。
以来、紙メディア・Webなど様々な求人広告を制作している。
現在はIndeed直接投稿の原稿を担当中。
2016年7月:上級ウェブ解析士取得。