自社サイトを使ったIndeed運用で応募数が計測できなくなる?

2021年10月1日より、Indeedの仕様変更が行われました。
その結果、自社の採用サイトでIndeedを運用している場合、今後、基本的に応募数の計測ができなくなります。
今回の記事では、計測できなくなった背景や今後の解決策についてお話します。

仕様変更の背景

今回の仕様変更について、Indeedの公式広報ではこのように言われています。

主要ブラウザにおいて、サードパーティCookieの使用に関する変更および将来的な変更が予定されていることから、2021年10月1日をもって、Indeed のコンバージョントラッカーのサービスを終了させていただきます。
2020年以降、FirefoxやSafariなどの主要ブラウザにおいて、サードパーティCookieのサポートの制限や廃止が進んでいます。Googleも、ChromeにおけるサードパーティCookieのサポートを段階的に廃止することを発表しています。
採用企業の皆様への影響
サードパーティCookieは、Indeed のコンバージョントラッカーおよび、その他多くの主要プラットフォームで、ユーザーのトラッキングに使用されています。最近では、ユーザーのプライバシーを保護する目的で、各ブラウザでサードパーティCookieのサポートが段階的に廃止されています。Indeed のコンバージョントラッカーは、サードパーティCookieを使用しているため、サードパーティCookieのサポートが廃止されると、コンバージョントラッカーを利用して応募数をトラッキングすることができません。
こうした動きを考慮し、求職者のプライバシーを保護するために、コンバージョントラッカーの提供を終了いたします。2021年10月1日以降は、この方法による応募数のトラッキングができなくなります。

https://indeed.force.com/employerSupport2/s/article/Indeed-is-discontinuing-Conversion-Tracker?language=ja

なんだかむずかしい言葉ばかりですが、順番にお話ししていきます。


そもそも前提として、Indeedには2種類の求人掲載方法があるのはご存知でしょうか。
知らずに掲載しているなんてこともあるかと思います。

2種類の掲載方法について改めて。

・Indeedが提供するフォーマットに直接求人情報を入力して掲載する(直接投稿
・自社の採用サイトの求人をIndeedに読み込ませて掲載する(クローリング

今回の仕様変更によって自社の採用サイトを使っている(クローリング)場合、基本的に応募数の計測ができなくなります。

なぜ、自社の採用サイトを使った応募数の計測ができなくなるか。それは、“サードパーティCookie”というものが、プライバシー保護の観点から世界的に見直されていて、規制や廃止が進んでいることが影響しています。
Indeedでも、応募数を計測するために、コンバージョントラッカーという計測方法で“サードパーティCookie”を使用しているためこの計測方法を廃止するという流れなわけですね。

それぞれの言葉を詳しく説明していきます。

“サードパーティCookie”の廃止とは

なぜ“サードパーティCookie”がプライバシー保護を侵害することになるのか。
これはIndeed公式広報にある用語を理解することで納得がいきます。

・トラッキング
トラッキングとは、ウェブサイト上でのユーザーの行動を追跡することを指します。
トラッキングによって、ユーザーがどのような経路で訪問したのか(広告やメルマガ等)、次に興味を持って進んだページはどこか、どの商品を購入したか等、ユーザーの行動履歴を分析することができます。

・コンバージョントラッキング
コンバージョントラッキングとはトラッキングの一つで、広告のクリックが、商品購入や応募等、設定した目標に至ったかを調べられるツールです。このトラッキングを可能にしているのが、Cookie(クッキー)というものになります。

・コンバージョントラッカー
コンバージョントラッカーとは、Indeedで応募数(コンバージョン)を計測する方法の1つです。

Cookieによるトラッキングの仕組み

・Cookie(クッキー)
Cookieとは、ユーザーがウェブサイトを訪問した際に、PCやスマホに一時的に読み取られた情報が保存されるファイルのことです。
例えば、一度ログインしたことのあるウェブサイトに再度訪問するとき、すでにログイン後の状態であった、パスワードが自動的に入力されていた、なんて経験はないでしょうか?
これはCookieに情報が保存されているおかげなのです。
このCookieによって、ユーザーは毎回ログイン情報を入力せずにスムーズにウェブサイトを閲覧できるようになっているのです。

・Cookieの種類
Cookieには、「ファーストパーティCookie」と「サードパーティCookie」の2種類があります。
はい、ここで出てきました。
サードパーティCookie”です。

・ファーストパーティCookie
ユーザーが訪問したウェブサイトから直接与えられるCookieのことです。

・サードパーティCookie
訪問中のサイトではファーストパーティと呼ばれたCookieは、移動して別のサイトに入った時には、他から持ち込まれた第三者のCookieになるので、同じCookieではありますが、ファーストパーティCookieとは呼ばれません。
今訪問しているウェブサイトではない、“第三者“から与えられたCookieを利用しているため“サードパーティCookie”と呼ばれます。

例えば、Amazonで買い物をしたとします。
その後、別のウェブサイトを訪問していた時に、さっきまで見ていた商品の広告が出現していることはありませんか?
これは、Amazonで得られた情報(Cookie)を利用して新しく訪れたウェブサイトで広告を出すという仕組みが使われています。
これを可能にしているのがサードパーティCookieというわけです。

このように、訪問したウェブサイトから直接発行されるCookieではなく、一度、Webサイトを離れた後のユーザーの行動を追跡するサードパーティーCookieは、プライバシーの侵害につながるとの見方が広がり、廃止する動きとなっています。
Indeedは、コンバージョントラッカーという計測方法で、サードパーティCookieを利用してIndeed以外の外部の採用サイト(自社の採用サイト)でも使用できるようになっていたため、今後、求職者のプライバシーを保護するためにコンバージョントラッカーの提供が終了。
結果として応募数の計測ができなくなったというわけです。

しかし代替案として下記の方法であれば、引き続き応募数の計測は可能となります。

代替案

  • 応募開始数データ
  • 直接投稿への切り替え
  • Indeed連携 ATSへの切り替え
  • 外部ツール利用

応募開始数データ
応募開始数とは、求職者が求人詳細ページで[応募先へ進む]または[応募画面へ進む]ボタンをクリックした数です。実際の応募数とは異なりますが応募数の代わりに参考になる数字になります。

直接投稿への切り替え
今まで使用してきた採用サイトではなく、Indeedのフォーマットに直接入力して投稿する「直接投稿」であれば、応募数の計測が引き続き可能です。

<Indeedへ直接登録して作成する流れ>
1) jp.indeed.com/hireにアクセスし、「無料で求人掲載する」をクリック
2) メールアドレスとパスワードを入力してアカウントを作成
3) 求人情報を入力
4) 求人の応募受付方法を選択
5) 予算設定の画面で「有料オプションを利用せずに求人を掲載」をクリック
という流れで、掲載することができます。
必須項目のみで簡単に投稿することも可能ですが、任意項目などもきっちりと埋めることで、求職者の応募意欲を高めましょう。

Indeed連携 ATSへの切り替え
ATSとは「Applicant Tracking System」の略で、採用管理システムと呼ばれます。
このシステム内では、応募者情報や選考状況などを一元管理することが可能となります。
様々な会社がATSを提供しており、その中でもIndeedと連携しているものに関しては応募数を計測することが可能となります。(連携ATS

毎月の応募数が多く、管理にお困りの場合はこちらのシステムを使って効率的に採用活動を進めていくのもよいでしょう。
尚、弊社でもIndeed連携 ATSについて取り扱いがございますので、ご興味がある場合はお問い合わせください。

外部ツールの利用
外部ツールを利用して応募数を計測することも可能です。
弊社では“Google Analytics”というツールを用いて応募数計測はもちろん、それに付随するユーザー情報を分析し
お客様との振り返りにも活用してきました。
他にも様々な外部ツールがありますので、引き続き、今利用している自社の採用サイトでIndeedを運用していきたい場合はご活用ください。

さいごに

今回のIndeedの仕様変更により、Indeedでの掲載方法を変更することになった会社様も少なくないと思います。
「ウチが使っている採用ページは大丈夫か」など、ご不安な場合は、一度弊社までご相談くださいね。

この記事を書いた人

広部貴司

リクルート発行の求人広告制作を経て、2014年上級ウェブ解析士を取得。以降、特定の商品に限ることなく、リアルもウェブもペイドメディアもオウンドメディアも含めてトータルで最適な採用手法の提案を心掛けています。