自社データから見る採用市場動向(2025年1月メルマガより)

弊社では過去に名刺交換させていただいた方を中心に、
毎月様々なメルマガでお届けしていますが、ここではその一部をご紹介します。

ここでご紹介している市場動向分析に関しては、
2025年1月より全体の流れとピックアップ職種の2部構成となっています。
※最新版はメルマガにて配信しています

2025年1月送信分

今回ご紹介するのは、2025年1月に送信した内容です。
時系列も当時の状況のままとなっています。

こちらでは、弊社にてお手伝いさせていただいた全国のIndeed運用データのうち2024年11月分と2024年12月分のデータ比較からシーン別に動向を表す数値を抽出し、アルバイト・パート採用社員採用に分けて職種ごとにまとめています。
では、早速見ていきましょう。

Indeed運用実績データから見る採用市場動向

2024年12月の動向はこちらとなります。
正社員募集とアルバイト・パート募集に分けてまとめております。

【正社員/募集情報を見てもらうシーン】

【正社員/応募してもらうシーン】

【アルバイト/募集情報を見てもらうシーン】

※「営業」・「機械/電気/電子製品専門職」・「建築/土木/プラント専門職」はデータ数が少ないため参考外とします。

【アルバイト/応募してもらうシーン】

※「営業」・「機械/電気/電子製品専門職」・「建築/土木/プラント専門職」はデータ数が少ないため参考外とします。

今月のPICK UP

弊社の運用実績より気になる情報をピックアップしてお届け!
今月のピックアップは…
「サービス/接客系職種」です。

1.正社員案件の動き
まずは数字の流れを確認してみましょう。
正社員案件はクリック率低下クリック単価は上昇した一方で、応募率は上昇応募単価は下降しています。言い換えると、「募集情報を見てもらう場面」では苦戦していたものの、「応募してもらう場面」ではむしろ11月よりも上手くいっていたと捉えることができます。一般的には年末にかけて多くの業界で求職者の動きが鈍化する12月ですが、何故今回「応募してもらう場面」では数値が伸びているのでしょうか?

2.分析と考察
まずクリック率の低下に関しては時期トレンドによる影響が大きいと考えられます。Indeedの採用マーケットレポートを見ても例年12月は11月よりもクリック数が大きく下降することから、今回のクリック率の低下もその傾向によるものであると言えそうです。クリック率が下がり広告費に対するクリック数が減ると1クリックあたりの費用、つまりクリック単価は上昇します。もちろんクリック単価上昇の要因となる事象は他にも存在しますが、一因として今回の場合はクリック率の低下がクリック単価上昇に影響を与えていると考えられます。

応募率は応募数÷クリック数で算出されるため、応募数が増えるか、応募数に変動がない場合はクリック数がより少ない方が応募率は高くなります。裏側でもう少し詳しくデータを見たところ、そもそもの案件数が増えていたこともあり、クリック数・応募数共に増加していましたが、増加幅は応募数の方がより大きくなっていました。クリック数に対する応募数が多くなっていたことで応募率も高く出たと考えられます。
ちなみに1案件あたりの費用は11月よりも12月の方が少なくなっていたため、少ない費用で応募数が増えた≒応募単価が下がった、ということになります。

加えて推測すると、この時期に転職を検討する求職者の心理もいくらか影響を与えているかもしれません。一般的には人の動きが鈍化する12月、気持ち的にお休みモードに入っている人も多いなかで、敢えてこの時期に転職を検討し求人検索するということは、言い換えればそれだけ明確に転職の意志があるということになります。
母数は少ないけれどもより応募意欲の高い求職者が活動していた、という見方もできます。

3.アルバイト・パート案件の分析と考察
他方アルバイト・パート案件は真逆の傾向が見られ、「募集情報を見てもらう場面」では上手くいっていたものの、
「応募してもらう場面」ではやや苦戦していたことが伺えます。
裏側でもう少し詳しくデータを確認すると、アルバイト・パートの案件数は11月よりも増えていた一方で、表示回数、クリック数、応募数といった実数の部分はいずれも減少していました。ここで表示回数とクリック数の減少幅を比べた時、より減少していたのは表示回数の方でしたので、結果としてクリック数÷表示回数で求められるクリック率の値が上昇したということになります。
クリック率や応募率といった遷移率が上がっていたとしても、クリック数や応募数などの実数が必ずしも上がるとは限らない点には注意が必要です。

また求職者の心理としても、年末の慌ただしい時期に​​​​​新しいアルバイト先やパート先に応募するのは少し心理的ハードルが高いと思っているのかもしれません。ただし応募はしなくても、求人検索自体は継続して行っていることはクリック率の動きからも伺えます一概に人が動かないからといって求人掲載を止めてしまうのではなく、逆にゆっくり見てもらえるチャンスと捉え、敢えて有料掲載を行うというのも一つの手です。

4.今後予想される動き
一般的には人の動きに連動して年明けから一段と求人数も増加する傾向にあり、またこの流れは年度末、春先まで継続する見通しです。一方で、直近では求人を見てはいるけれどもまだ応募しないという人も多くいると考えられます。
来たる4月の進級や進学、転勤、それに伴う家庭の都合に合わせて、実際に動くタイミングは個々人の状況によりますが、その前段階となる応募検討、求人検索は既にしているという求職者も決して少なくはありません。
ここからどんどん競合が増える前に、早い段階から有料掲載を始めておくと求職者に見つけてもらいやすいだけでなく、応募検討もしてもらいやすくなります

まとめ

このような動きは年末年始だけでなく他の大型連休などにも言えることかと思います。
時期や人の動きを上手く掴めるとそれだけ運用の最適化、効果の最大化も目指しやすくなりますので、
気になることがあればぜひ弊社までご相談ください。

この記事を書いた人

西脇綾子

2019年4月新卒入社。
半年間の営業経験を経てWR部に異動、以降はマーケットリサーチャーとしてindeed運用管理・振り返り・改善提案を主業務として行っている。
2020年11月上級ウェブ解析士資格取得。