「介護職」採用のIndeed活用法

コロナ禍により求人倍率が1.01倍(2020年9月)と下降していく中、介護職は4.53倍と高止まりが続いている。今でも介護業界からは人手不足の声が上がっている。そんな中、2009年に日本でのサービスを開始し一気にその影響力を高めている「Indeed」を活用した採用活動が注目をされている。
介護職採用にはなぜIndeedが有効なのか、また、その成功のポイントをお伝えいたします。

1.なぜIndeedなの?

求職者の仕事探しの変化

インターネットの利用率が約8割となり、その中でもとりわけスマートホンが日常生活の情報収集・コミュニケーションのメインデバイスとなってきました。求職者の仕事探しも当然ながらスマホが中心となってきています。リクルートジョブズの調査『求職者の動向・意識調査2019』によると、「仕事探しに利用した情報源の上位3項目は「求人情報サイト(携帯・スマホ)」(41.1%)、「求人情報サイト(パソコン)」(34.3%)、「ハローワーク」(31.3%)でした。前回2017年の調査時と比較すると、「求人情報サイト(携帯・スマホ)」(33.7%)と「求人情報サイト(パソコン)」(38.0%)の順位が逆転しています。また、「求人情報アプリ」は16.5%(前回10.1%)で、中でも学生は3割を超えているなど、仕事探しにもモバイル化の傾向がみられます。」となっています。つまり、仕事探しはスマホ、というのが常識となりつつあるようです。

数多くの求職者をとりこむIndeed

その仕事探し=スマホ化が進む中で、ユーザーを数多く取り込んでいるのがIndeedです。Webサイト診断ツールである「SimilarWeb」を使って調べてみると、2020年10月の各求人サイトの訪問数は以下の数値です。
 ・Indeed:3485万 ・タウンワーク:1366万 バイトル:680万
求人検索エンジンとして、飛びぬけた影響力があることを示す数値となっています。

Indeedを中心とした介護専門求人メディア

さらに同ツールで調べてみると介護領域の専門サイトの訪問数は、
 ・ジョブメドレー:389万 ・カイゴジョブ:65万
となります。総合求人サイトと専門領域サイトではその比較が適当かどうか少し疑問が残るので、ちょっと違うデータを調べてみました。
 ジョブメドレー:年間120万 カイゴジョブ:年間30万
 これは各専門メディアが1年間にIndeedを経由して獲得した訪問数。すなわち、各専門領域も自社のサイトにユーザーを呼び込むためにIndeedを活用している、ということがわかります。
 ここ数年で急成長を遂げたIndeedは仕事探し全体はもちろんのこと、介護業界でも一番多くのユーザーを獲得するようになりました。ユーザーが使っているサイトを活用する、これは求人業界の鉄則。だからこそ、介護業界でもIndeedでの求人活動、そしてその成功の数が多くなってきているのです。

2.介護業界のIndeed活用のポイント

見つけてもらう

求人活動の成功は「見つけてもらう」「応募してもらう」が成功のポイント。言うまでもない当たり前のことですが、この当たり前をIndeedではどうすると成功するのか、をお伝えします。

Indeedに求人を掲出するにはいくつかの方法がありますが、今回は採用HPの活用方法をお伝えします。まず自社採用HPを読み込ませる。Indeed社に問いあわせる、もしくはIndeed取り扱いパートナーに連絡すると自社サイトの読み込みが行われます。しかし、自社採用サイトがIndeedが指定するロジックでない場合があります(多くの企業がこれ)。そんな時は「無料採用サイト」を活用することがお勧め。リクルートジョブズは「ジョブオプLite」を展開。Indeedとの相性も良いためお勧めするひとつです。

人気キーワードを盛り込む
さて、自社サイト(無料サイトでも)の求人をIndeedに読み込ませたら「見つけてもらう」ための工夫をしていきます。
まずは「キーワードをたくさん盛り込む」ことを行ってください。求職者はIndeedで「キーワード」×「勤務地」で検索をしてきます。その検索するキーワードは様々。多くの検索キーワードに対応するように、自社の求人案件にもキーワードを多く入れることが重要です。例えば、職種名を「介護スタッフ」とした場合、求人内容の中には「介護職員」や「介護」と同意であるが違う表現を使ってください。これを、表記のゆらぎ、と言いますがユーザーの検索はコントロールできないため、自社の求人の中に工夫をするのです。また、Indeedは職種ごとに検索人気キーワードを発表しているため、これを意識して求人を作ることがポイントとなります。

たくさんの求人をUPする
Indeedは企業を検索するのではなく、「求人案件」を検索する仕組み。そのためできるだけ多くの求人案件を自社サイトにUPしIndeed内シェアを高めることもポイントの一つです。介護スタッフだけでなく、例えば介護福祉士、ケアマネ、掃除のパートさん、採用可能性があるすべての求人をUPし、より多くの求職者の検索を集めていきましょう。

応募させる

ここでは2つのポイントをお伝えします。
求人案件の書き方をこだわる
応募フォームの簡素化
です。

Before
利用者様の介護全般をお願いします。
入浴介助、食事介助、トイレ介助のほか、レクリエーション、送迎等もお願いします。

After
介護のお仕事全般をお願いします。

<介護業務の1日の流れ/例>
8時…朝食、口腔ケア、排泄ケア、水分補給
12時…昼食、口腔ケア、排泄ケア、水分補給
14時…入浴介助、おやつ、レクリエーション
16時…排泄ケア
17時半…夕食、口腔ケア、排泄ケア
19時半…就寝介助
21時以降…巡視、翌1時~4時に排泄ケア
翌5時半…起床介助

※口腔ケア/歯磨き等
※排泄ケア/ご利用者をトイレへご案内、サポート
※入浴介助/着替え、入浴、ドライヤー等のサポート
※起床介助/起き上がりのサポート

例えば『なごやかハウス名楽』の場合、
ご利用者の定員は80名。
平均年齢は87歳、平均要介護度は3.8で、
8割程度が女性です。
日勤は職員12~13人(看護師2、3名)体制で、
夜勤は4名体制となります。
夜勤開始時期は、指導進捗状況により異なりますが、
概ね入社3~4ヶ月くらいからスタートします。

いかがでしょうか。BeforeはIndeedも含めた求人メディアで書かれている仕事内容の一般的なモデルです。
しかし、同じ求人案件でもAfterのように詳細に仕事内容を書くことがポイントです。
・1日の流れ 
・「介助」内容を詳しく書く 
・利用者さんの特徴を表記 ・
・スタッフ体制を記載 

というところに着目して求人を作ると応募効果が格段にあがります。介護という業界はかなり独特な仕事があるため、求職者の気になるポイントをしっかり押さえた求人にしていきましょう。

応募フォームを簡素化

エントリーしようと思ったら、めちゃめちゃ書くことあって面倒だー、と離脱してしまう求職者が非常に多いことはご存じでしょうか。ユーザーはスマホからエントリーをしようとしているため、多くの文字を書かせるようなことはできるだけ避けてください。そして、厳禁なのが「志望動機」「職務経歴」を記載させること。薄い内容だと落とされそう、かといってスマホでたくさん書かなきゃいけないのは大変。そのためこの志望動機や職務経歴があると離脱率が高くなってしまいます。
もうひとつ気になること、それが「保有資格」を記載させること。うちはプルダウンにしているから大丈夫、という方もいるかもしれませ。でもこれはちょっと違う理由なのです。介護業界の多くが「未経験でも採用OK」かと思います。この未経験者がエントリーフォームで保有資格にチェックができない場合、未経験OKと書いてあったけどやっぱり落とされちゃうかな、と考えて離脱することが多くあります。ですので、資格欄もできるだけなくしてしまいましょう。

2.まとめ

このようにIndeedは介護業界の採用にとって必要不可欠なツールとなってきました。
今回は簡単な活用方法をお伝えしましたが、求人メディアのような多くの制約を受けない採用ホームページをとにかく工夫してIndeedでうまく採用する、これを継続的に行っていくことが採用力UPに大切なことです。

資金力だけではなく工夫や努力によって成果が変わるのがIndeedの面白いところ。たくさん工夫して採用成功につなげていってくださいね。

この記事を書いた人

丸山史人

■上級Web解析士■中小企業向けコンサルティング会社を経て2003年に(株)リクルーティング・デザイン入社。東海企業の採用活動を担い2014年業界でいち早く上級ウェブ解析士資格取得。Webを活用した採用ノウハウで大手企業の採用パートナーとして活動中。